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ネックレスとイヤリング 

真珠の首飾り



中学生、高校生時代は“ブラバン”活動に明け暮れた。パートはフルートであった。行進曲や管楽器が多用されるクラシックの曲目も練習したが、やっぱり楽しかったのはスイングジャズの曲目をブラバンの楽器構成で練習をすることであった。
例えば、当時人気であった(学生のブラバンで)曲目はグレンミラーの「茶色の小瓶」「真珠の首飾り」などで、毎日のように練習をし、トランペットやサックス等の華やかなパートをうらやましく思いながら、加わってスイングしていたものだ。と、導入はこのくらいにして、上野の国立西洋美術館で開催中のベルリン美術館展で展示の目玉になっているフェルメールの『真珠の首飾りの少女』を見に行ってきた。
朝、7時起床し美術館の前には開館40分前に行列の出来ている後ろに並ぶ。このフェルメールの期待の「真珠の首飾り・・・」は日本には初来日の作品であり、フェルメールの初期の代表的な作品である。そして彼の作品の特徴を余すところなく盛り込んでいる、その特徴を堪能するために、入館してからはいつものように真っ先に一番奥のコーナーに掲げられている”少女”の前に立つ。
既に10人ぐらいの同じ鑑賞習慣を持つ観賞者と正面から、横から当てられた照明の具合の場所を替えながら20分ぐらいか、自己の頭に中にあるこの絵の概要と、目に浮かぶ色彩、光、絵の感触を確認して、その絵画の特徴を楽しんだ。
そして最初のコーナーに戻って彫刻、大理石のもの、鋳造をした細密な小さな彫刻を見て回り、いくつかの〝有名な”作品、有名である謂れもわかる「マルティンルターの肖像」や「ヤーコブ・ムッフェルの肖像」など、その目、視線の厳しさ、生きている眼の力のある肖像画には改めて気に入った。
そして再び意外と小さい額縁の中の“少女”を少し距離を置いて見る。フェルメールの得意とする左から入る陽射しが、室内を柔らかく照らし、その中にいつもながらのお気に入りの勝負衣裳を身にまとった少女が立つ。画面にはオレンジ色に近い黄色のカーテンが左に垂れ、右に立つ少女の身に着けている淡いレモンイエローのサテン生地の衣裳とが、中央の空間をほんのりと黄色かな?と思えるぐらいの光の壁の温かい空気感を作り出している。少女が首に真珠の首飾りを結ぼうとしている表情は、これから身支度をしているその姿をギリギリの大きさ、高さの鏡に映してこれからの心を前に進ませる、楽しくなるだろうと予感をさせる雰囲気である。口にはほんのちょっと白い歯を覗かせている。その緊張感を少し和らげる気持ちでもある。黄色のサテンのドレスに白の縁取りの毛皮はフェルメールの使う、少女のお決まりのワードローブである。そして大粒の真珠の耳飾りと真珠のネックレスは欠かせない“記号的”装身具である。
フェルメールの作品の37点(数は前後する)の作品の中で、この黄色いドレス(白の毛皮の縁取り)を着用したのは7点あると、数えてみたが作品の一番最初に用いられたのがこの作品ではないか、と思う。「1992年ー1994年」と説明には製作年が記載されている。楽器を抱えたり、弾いたり手紙を書いたり、読んだりしているポーズ(ある相手へのメッセージ)で描かれている中に、この3点セット「黄色のドレス(白の毛皮の縁取りの)衣裳・ネックレス・イヤリング」を多用しているのは、一番最初に描いたこの「真珠の首飾りの少女」の評価に拠ってではないか。
何時もながら、テーブルの上、壁面、床上などに置かれる小道具も何やら意味を持ちそうであるが、中央の大きな壁面には地図も絵画も掲げられていないが故に、この空間は少女の鏡を見る視線を邪魔しないし緊張を作っているのがいい。 テーブル上には中国のもの?と思われるガラス質の釉薬が掛っている大きな壺が白い光を受けている。真珠の白、椅子のに打たれている鋲の反射まど、作家の得意なこの白いポイントがバランスよく画面に点在するも、画面下部のテーブル下の白い光を反射しているのは何か、の疑問は凝視してみたが、何に反射しているのか理解できなかった。
そしていつも使われる小道具のテーブル上の厚手で質感のある布は、図録や写真で見ていた色彩では黒い感じであったが、それは濃紺の素敵な色で、上部を黄色のグラデーションで構成する画面の下半分を、引き立たせる立体的な重い濃紺であったことは、実物での色の使い方で理解できたことである。

月末からは、同じ上野の森に「真珠の耳飾りの少女」が「ディアナとニンフ」とともに再来日する。再会が楽しみである。
会場を出て、ロダンの彫像、〝カレーの市民”に見送られながら、鑑賞後の心はブラバン的に“スイング”し“ハミング”していた。そのテンポ良い歩調は公園沿いの坂を下り、御徒町の「ぽん太」(看板は「太んぽ」と右から書くのがいい)に向かった。営業時間を待って、思わせぶりな分厚い木のドアを開けて入店をする。欅の厚いカウンターに座る。とんかつの名店は多くを知らないが、この店の洋食とんかつの、料理の旨さとそれへの心がけはトップに位置する、と思う。いや、まじめに、“美味い”。(豚に真珠なんて言わないでほしい)

*ミュージアムショップで求めたポストカード。大きい画像は案内チラシ。
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まとめtyaiました【ネックレスとイヤリング】

中学生、高校生時代は“ブラバン”活動に明け暮れた。パートはフルートであった。行進曲や管楽器が多用されるクラシックの曲目も練習したが、やっぱり楽しかったのはスイングジャズの曲目をブラバンの楽器構成で練習をすることであった。例えば、当時人気であった(学生の...
  • [2012/06/25 12:05]
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