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 2016年12月 

気力の発奮剤 

肉の種類

 さて、やるか!という気分を持てるのは体力か精神のありようかは、はっきりとはしないが麻薬のような(使ったことはないが)ポジティブなアドレナリンの分泌を促す食品があって、そんな時に精神が前に向かう気力を決める目の前の“人参”のような役目を持つのはまず“肉”、だ。
 頑張るときには肉、というのは確かに効き目があると思っている。あるいは自らに言い聞かせていて無性に食べたくなる時期がある。最近はその処方が脳内にいいらしく、友人との外食にもその肉、それも牛肉、それもステーキで、ということが多く、付き合っていただいている。たぶん友もその薬効に気づいているかお付き合いで食べるのをお呪いだよ、という風でもある。
 そうそう度重なって食べれるレストランでのビーフ・ステーキではないのだが、一人昼食、となるとおもむろに開店早々の近場のスーパーの肉売り場を視察に行く。いくつかのスーパーに出向いてその元気の素となる肉を探し出すのだが、最近出店してきた郊外の食品スーパーに行くとなかなか肉売り場が充実している。産地(肥育地)、肥育食料(穀物か牧草育ちか)、国産かアメリカ産かオーストラリア産か、国内のブランド肉かフィレかサーロインか、肩ロースか、ランプかと部位のそろえも増えてきている、既存のスーパーは普通のありきたりの品ぞろえの幅であるがその最近の店はさらに細かく部位を表示しているので、はてな、この部位は牛のどこら当たりか、と見当をつける。スーパーの売り場の表示で初めて見たのは「ザブトン」、「ミスジ」、「イチボ」だの細かい表示である。肩ロースの下か、ランプとモモの間か、前脚の上のモモの辺りかと思い出しその鮮度のよさそうな肉のいづれも赤身の柔らかそうな肉に目星をつける。
 元気の素にと250グラムぐらいで800円程度(100g300円ほど)の切身を探す。このスーパーができる前は大型の外資系のスーパーで肩ロース100g200円程度のモノを購入していたが筋切が面倒だなあ、と結局一枚が3枚程度に切り刻むようになってしまって大きな肉の塊、というか厚さのある肉を切って食すだいご味がなかったのだが、新しい肉屋では「イチボ」という筋の無さそうな国産牛の赤身のランプの隣の部位を100g498円で奮発して購入していた。その後は「ザブトン」という部位を選んだ。赤身のチョット脂身が散らばった肩ロースの下にあたる部位で、筋は気にならない肉質でアメリカ産のこれは100g358円である。持ち帰ってステーキの準備をする。スチロールの皿に乗った肉を取り出し、両面にしマジック・スパイスを軽く振って、ゴリゴリと黒胡椒をミルで挽きしばらくしてからフライパンを熱し、油を敷きそこへペタッと肉を乗せる。厚いから片面5分程度焼いて、裏を三分程度焼、周りに焦げ目が着いたら火を止めて2・3分そのままで、ぷくっとした膨らんだ肉が旨そうである。ナイフを入れると中にはまだ少し赤みが残ってピンクになりかかっれいる。それを一口フレンチマスタードと醤油のたれで食べると、肉は旨い、柔らかい、ボリューム感もあって一気に元気が出てくる(でてきているような気がする)。半ポンドで十分、である。こんなにうまく食べれるなんて。サーロイン、リブステーキ、もちろんフィレなんて言わなくても(それらの肉もそれぞれの確かな旨さを持っている)おいしい牛肉を自分で調理して食べるのには十分である。
 近隣のファミリー・レストラン「G」で「イチボ」のステーキ・フェア(勿論、アメリカ産)をやっていてどんなものか、と偵察にいって試食をしてみた。この系列の店にしては高価格帯のメニューである。1ポンドのイチボ、半ポンドのイチボのサラダバー付のステーキ・フェアである。注文して10分過ぎに鉄板の上に乗っかった、その売りのイチボ・ステーキが出てきた。平板のステーキ肉ではなく塊状の肉である。ぺレット状の焼かれた丸い鉄が添えられてお好みにこれで焼いてくれ、という事である。ナイフを入れた肉はまだ生肉色が残っていて切身をぺレットに乗せて好みに焼いては口に運ぶスタイルである。友人はすでに家族と来ていて1ポンド・450gに挑戦したものの、生肉に近く(レアな焼き具合)ナイフがうまい具合に入らない、ペレットに乗せたら貼り付いてダメで、“焼き直せ”とクレームを付けた、と怒っていた。レアな肉だから焼き方も余りにもレア、とはいただけない)
 FRでは高価なメニューである、牛肉の扱い(塊だと火が通りづらい、キッチンでの焼き方が難しい)に不慣れなアルバイトが焼いたに違いない、のだ。確かに半ポンドの注文にしたこちらの料理も税込みで1,835円である。鉄板に張り付いたオニオン・スライス数枚、とジャーマンポテト三切れでは満足度は低く、なおかつ焼き方が雑、である。肉の質を考慮していないステーキ・チェーンである。“「イチボ」という希少な部位!(レアな部位)”というその売り文句は一体何なのだ、何が特徴であるか、おいしく食べる技術のないまま焼いてあとは自分で焼き加減を見ろ、というステーキならば、スーパーで生肉を買って(同じ部位が鮮度が高いその肉を、安く調達して、時間もさほどかからないで)調理した方がよほどましだと思ったから、二度とそのレストランにはいかない。生肉にすれば半値で買って、納得のいくおいしさで食べられる。その手間と時間はたっぷりある。
 あのスーパーには「シンシン」、「亀の子」「友三角」とかいう未経験の領域の肉も並んでいた。今度、気力の減退が感じられた時の一人ランチはこの部位を求めて(いずれもイチボの下、うちモモの下辺りにあるらしい、価格もさらに手ごろな部位)キッチンに立ち、充実させようと思う。ジャンパーとキャップ姿の同年代の方もうろうろしていたが、よく見ているとショウケースの向こう側ではブッチャーが牛半身を部位ごとに切り分けていて、そこにジャンパーは何かを注文していた。それはなんとヒレを三本注文していたところを見ると個人でレストランを経営しているプロ(たぶん)だった。「フィレかあ」。この方は肉料理を売って客の気力を発電させて、気力自家充電しているのだろうか。

*ある焼肉屋の看板。
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